「星海の断章Ⅰ」 森岡浩之 早川JA ISBN:4150308020

どの雑誌・付録で出したかで、傾向が変わってくる、とほぼ言えるのが何とも。
SFマガジン掲載のものは、だいたい当たりと言っていいと思うけれど、
PSソフトの付録だとか、PCゲームの付録だとかは、原作イメージを壊すかも。
人によりけりだとは思うけど、ここまで貶めなくても…、と言ったオチを付けてきているので、オススメし辛いです。
いや、アーヴの元が日本人だってのはいいんだけど、だからと言ってヲタヲタさせなくても…。
同人誌だから何やってもいいって訳ではないと思うのですよ。
過剰なファンサービスなのかなあ…。取り敢えず、各話雑感で行きます。

創世

アーヴの発生草創期のお話。
どのようにして、この傲慢で無謀なる種族が出現したのか…という内容。
これまでの本編の内容を踏まえると、まだこの時期はそんな形容は当て嵌まらない訳ですが。
母都市と、アーヴの原種族になった作業生体達が、どのように離別したか。
これは、後半に書き下ろされた「原罪」にも繋がる話なんで、読んでおきましょう。
しかし、この時代はまだ核融合炉メインの宇宙船なのかあ。
作業生体達に期待されていた役割とかを考えると、
ユアノン出現前ってのは確実だってのには後から気づきました。
(さらに後に、この母都市の場合は他の星系から孤立していた為に、
ユアノンを燃料にした宇宙船技術が無かったという事に気付きました^^;;)

饗宴

ヲタ話短編その1。ネタバレ以下反転↓

要は同人誌即売会って事です。上でも言ってましたが、
ラフィールが同人誌について熱く語るシーンとかは見たくなかったよ!!(泣)
実際にそんなシーンがある訳ではありませんが、
オチの文章読んでるとどんなシーンかが想像出来るので、
ジントがラフィールのご機嫌取りをしようとして失敗する姿が目に浮かんで涙が。

蒐集

ユアノンを失い、さ迷う植民地開拓船の前に出現するアーヴの都市船のお話。
「創世」の頃からはある程度年代が経ってるみたいだけど、
「人工生命体」って単語が普通に出てくるので、本編よりはかなり前の位置づけかな?
ユアノン粒子を集めるアーヴ達の目的とは?

哺啜

何時かはやると思ってました!
のサムソンさん地元料理話。
しかし、予想の斜め下を行きまくりの展開に脱力。
以下ネタバレ反転↓
いや、気づくべきだったんですよ、肉ばっかりじゃあ栄養のバランスが足りない。
つまりは野菜を食べろ→対決してる化け物=野菜という図式に。
あまりの馬鹿馬鹿しさに脳が拒絶反応を。

君臨

キャラのアクの強さと女王様っぷりではアーヴで断トツの、
スポールのぺネージュ様の若かりし頃の日常(?)を描いた短編。
きっちりと作られたキャラは水戸黄門的な一件落着なオチを付けてくれるという良い見本が。
執事さんがいかしてます。
あとぺネージュ様の上手を行くという母君アセーヌ様のイラストを是非みたいですw

秘蹟

ヲタ話短編その2。ネタバレ以下反転↓

いや、委員長でそばかすでおさげで眼鏡っ娘なんて遺伝子改造はいらないから。
先に「饗宴」を読んでいた為、オチ云々の前に脱落しそうに。
その内ラフィールがコスプレする短編とか書きそうですよ、森岡さん!!
んでもって、ジントとラフィールでイベント参(ry

夜想

<バースロイル>のメンバーの中では割と影が薄かったソバーシュを主人公にした短編。
まあ、酔いどれ変態料理人のサムソンや、天然キャラ+三角関係(?)で美味しい所を
持って行ったエクリュアと比べるのも酷ですが。
ともあれ、アーヴの交易者としての面が描かれる小品。
と言っても、地上世界に直に降りての交易はアーヴとしては例外みたいですが。

戦慄

ヲタ話短編その3。前作に続いてソバーシュが主人公。
なので、今度はどんな地上世界のお話が読めるのか…とか思っていたら。
苦労人気質なソバーシュのキャラが伺えます。
取り敢えず、根源二十九氏族最萌えなのはアブリアルって事でFAで。

誕生

ラフィールの両親の蜜月期からラフィール誕生までの短編。
若干ですが、「創世」にも関連あり。

暴君

ヲタ話短編その4。ネタバレ以下反転↓

スポール准提督の参謀、クファディスくんには2人の“暴君”がいた―――!!
てな訳で、「饗宴」に続く同人誌製作話第二弾。
彼は職場でだけでなく自分の姉にも虐げられていた訳ですね、とある意味納得な設定w
しかしコ○ケに参加するのに使われまくる弟ってのはどうか。
ところで、アブリアル本を蒐集してるのってやっぱラフィール?

接触

ハイド星系がアーヴ達にどのように発見されたかを描く短編。
見付かり方からして、ジントの幸薄さが窺がえて涙が。

原罪

「創世」の後200年、ついに母都市に戻ってきたアーヴ達が、それを滅ぼすまでのお話。
実際にはドゥビュースが、ラフィールにそれを成人の儀式として語っているという形式。
各根源氏族の祖先がちらほらと出演。