「まぶらほ〜ふっかつの巻・なんせい〜」築地俊彦 富士見ファンタジア文庫 ISBN:4829116234

現代世界に、万人が魔法が使えるけど、個人の一生での使用回数が決まっている、
さらにその強さには個人差が。という設定を持ち込んだ本作。
こちらは月刊ドラゴンマガジンの短編連載に書下ろしを加えたモノ。

ようやく、元の身体に戻った和樹は、現在夕菜・凛・玖里子にさらに暴走しがちな和樹の魔力を抑える力を持った舞穂と同居中。
さて今回は、夕菜ではなく凛・玖里子が主役のお話が中心の短編集。

↑の通りなんだけど、最近の短編を読んでると凛と玖里子ばかりが
テコ入れさていて、逆に夕菜が冷遇され過ぎな気も。
最初の内は、ちょっと嫉妬深くてたまに暴走しちゃうキャラ、くらいの扱いだったはずが、
今では夕菜はすっかり凶悪嫉妬大魔神に。
読む分には笑えるけど、作中の夕菜のセリフ、

「ふしだら淫売キャラだと信じていたのに純情路線をとるなんて!」

と言わされている辺りは、ヒロインキャラの扱いとして涙を禁じえませんw
逆に、クール系キャラで売っていた凛が実は照れ屋で可愛いなあ、とか。
年上で、迫ってくる玖里子さんは実は純情乙女でした、とか。
キャラのズラしは果てしなく逆走中。
長期連載の短編ギャグだからこそ出来るのかもしれないけど。
ここまで徹底されると、幾らスタートの時点でアドバンテージがあると言っても、哀れな気が。
等と言いつつ、純情路線の玖里子さんはかなり萌える訳ですが。
さて、今巻の一番の見所は後書き。
主に、短編の書き下ろしに登場する、山瀬千早について。
アニメの千早と比較をしながら、書き下ろしの路線について築地さんが語ってくれてます。
次で、決着がつくみたいなので、早めに次巻で出てくれるといいなあ。
……その前に本編はいつでるのだろう。